◇分離不安とは?
分離不安症とは、飼い主が外出し独りぼっちになってしまうと不安になり様々な問題を起してしまいます。
落ち着きがなくなる、吠える、物を破壊する、留守中にトイレができないなどの症状が見られたら分離不安症を疑った方が良いでしょう。
その原因は、飼い主の過剰な愛情や接触です。
過剰に愛情を注がれると、いざ一人ぼっちになったときに孤独に耐えられなくなってしまうのです。
また、その他にも環境の変化や愛情が喪失した場合でも起きやすい症状です。
改善策としては、外出する30分くらい前からペットに話しかけたり、注意を向けたりしないなどの「行動療法」と、 補助的に用いられることができる有効な医薬品で「薬物治療」を合わせて行なうことが一般的です。
クロミカルム5mgは、脳内の神経伝達物質の乱れを正す作用があります。
有効成分である塩酸クロミプラミンは分離不安症の脳内の伝達物質セロトニンの取り込みを阻害する作用があり、犬や猫の不安を和らげることで行動療法を受けやすくします。
<1回の投与量>
●犬の場合:
体重1.25-2.5kg: クロミカルム5 x 0.5錠
体重2.5-5kgの犬: クロミカルム5 x 1錠
●猫の場合:
体重3-6kg:クロミカルム 5 x 0.5錠
体重6-12kg: クロミカルム5 x 1錠
・犬には1日2回、猫には1日1回投与します。
・餌と一緒に与えることが好ましいとされています。
・錠剤は分割して投与することができます。
【注意事項】
・不整脈やてんかん、狭角緑内障などが見られる犬や猫へのクロミカルムの使用は慎重に行なうようにしてください。
・尿閉塞や尿閉の素因が認められる犬や猫に対しても慎重な使用が必要です。
・クロミカルムを攻撃性の治療薬として使用することは推奨されていません。
また、例え適応症に該当した場合においても、過去に攻撃的な行動を取る傾向が見られた犬や猫に対する使用も適切ではないとされています。
・クロミカルムの効果効能と安全性は、体重1.25kg未満の犬や猫、および月齢6ヵ月に満たない犬や猫に対しては確立されていません。
・塩酸クロミプラミンの代謝は肝臓でのグルクロン酸抱合によるものです。
・犬と比較して猫はこの排泄機能が低いため、猫にクロミカルム5を使用する場合には特別な注意が必要です。
【副作用】
クロミカルムを取り扱い説明書の指示に従って使用した場合、鎮静、拒食、嘔吐の増加など、軽度で一時的な副作用を引き起こす可能性があります。
ごくまれにクロミカルムの抗コリン作用により、猫の尿閉が引き起こされることもあります。